ちょうど、VAMOSの選手たちがアップを行っているとき、北コートを挟んだ南コートから「オーッ」という大きな歓声が聞こえてきました。選手たちが一斉に視線を南コートに向けます。後半アディショナルタイムに山崎SSDの選手が逆転ゴールを決めた瞬間でした。
選手たちは口々に「山崎が勝った!」という声。この時点で我がチームと2位山崎SSDとの差は「勝ち点3」「得失点差4」という状態になりました。
さあ、今から始まるVS塩屋SSDに、勝利が必須となり「5ー0」以上での勝ちが条件となりました。今回のブログでは選手たちの強い気持ちと選手とスタッフ・保護者がチーム一丸となった戦いをお伝えしたいと思います。
いよいよVAMOSの来年度U11とU10の1部リーグ昇格をかけた戦いが開始されます!
選手たちは緊張の面持ちでキックオフの打合せを行いながらピッチに出ていきます。ベンチは交代選手の準備はもちろんですが、大きな声で選手を鼓舞していきます。観客席からはVAMOSの保護者だとすぐにわかるくらいの拍手と「がんばれー」という大きな声援がピッチに届いています。観客席に目をやると、5年生の松尾選手・豊岡選手・福田選手が見えます。ベンチも観客席も緊張感と熱くなっている気持ちが手に取るように分かります。
「ピーー!」
キックオフと同時にデザインされた左サイドへのフィードとともにFW・MFの選手がスプリントしていきます。
ファーストチャンス!
残念ながら、塩屋のDFの堅い守りにはね返されました。以降、ボックス(ペナルティエリア)周辺にボールを運ぶのですが、決定力不足は否めません。緊張のなかでの真剣勝負ですから、どうしてもミスを怖れることから強いシュートを打つことができていませんでした。
一進一退の攻防。
そんなとき、塩屋選手によるカウンターで相手チームにシュートチャンスが来ました。素晴らしいシュートがVAMOSのゴール内に飛んでいきます。だれもが「やばい!」と思ったその瞬間、左MFの大國選手がゴール前のカバーに戻っていました!
大國選手のスーパープレーがVAMOSを救ってくれたと同時に、すべての選手たちの心に火をつけてくれたのです。
このプレーがこの試合の転換点をなりました。
前半10分まで「0-0」でしたが、大國選手の素晴らしいカバーリングがあってから、前半に3点を奪い、「10-1」で勝利したのです。
大國選手のポジションサイドMFはとても運動量の必要なポジションです。縦ラインを中心に何度も何度もスプリントをします。そのサイドMFの選手がゴールマウスまで戻ってきたところに大國選手の集中力と気持ちの強さを感じずにはおれませんでした。きっと、その気持ちがピッチ内の他選手にも乗りうつったのでしょう。
ピッチ内の選手だけではありません。
観客席の皆さんはもうご存じですよね。ベンチから3年生のサブ選手が飛び出して、ゴール裏でボール拾いを行っていたことを。
VAMOSの選手のシュートが外れた際に、いち早くキーパーにボールを渡し、少しでも時間短縮を行い、「5-0」以上の勝利に貢献していたのです。
このプレーも「10-1」の勝利に大きく貢献することとなったのです。
40分間、VAMOSの勝利への強い気持ちは衰えることがありませんでした。
それは観客席のサポーターの皆さんも同じでした。
私は決して忘れません。大國選手のフリーキックがゴールした瞬間を!
観客席のサポーターの皆さんそれぞれが、ガッツポーズをしたり、大きく手を広げたり、握りこぶしを突き上げたりされておられました。
ピッチサイドからは大國選手のゴールとその背景にあるVAMOSのサポーターの皆さんのセレブレーションが見事に風景として一体化し、とても感動的で胸を熱くしました。
それはベンチにいる選手たちも同じでした。
試合後のトレーニングマッチでは、試合に出場できなかった選手たちがスタメンメンバーとなったのですが、選手たちの動きがどれほど素晴らしかったでしょうか。
あの熱い試合を観戦して、「今度は自分たちの番だ!」と素晴らしいプレーを見せてくれました。チームというのはこのようにして強くたくましくなっていくんだと真の意味で理解できた時間でした。
そこに優劣はありません。
ひとりひとりが自分の力を必死になって表現していることに大切な重みがあるのです。
私はこれが「トレセン」の意味につながると思っています。異なるカテゴリの選手が試合を観戦したり、時に出場したりすることで、自分たちのカテゴリに好影響をもたらしていくことでしょう。
「10-1」の試合結果だけではサッカーの試合は見えてきません。
この試合の持つ意味は今後のVAMOS上郡にとって、大きな意味があると思っています。おそらくは観客席で観戦された保護者の皆さんも同じ気持ちだと思います。
目標を明確にしたときの選手たちの成長の素晴らしさ、この試合がVAMOSの今後の発展の試金石になるような気がしてならない今日この頃です。
選手たちをほめてやってほしいと思います。
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