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Kamigori One Heart!  ‐こころをひとつに‐

  • 執筆者の写真: VAMOS上郡FC
    VAMOS上郡FC
  • 2022年8月26日
  • 読了時間: 8分

更新日:2023年5月14日

8月21日(日)10時52分、試合終了の笛がピッチに鳴り響きました。

20分ハーフの試合時間内に、いえ試合時間を超えて、どれほどのドラマが選手たち個々それぞれにあったでしょうか。

いま、U11リーグ戦優勝を決めた試合を振り返りながら、いま、手のひらに世界をみるような、一瞬に永遠をみるような気持ちでこのブログを認めています。

どうか、このブログを、8月21日という「時間」を超えて、赤穂海浜グラウンドという「空間」を超えて、選手やスタッフであるとか、家族であるとか、卒団生であるとかという「立場」を超えて、どうぞVAMOS上郡に関わって、8月21日を迎えた「自分自身」に思いを馳せながら、お読みいただければ幸いです。


一生の思い出になるような素晴らしい瞬間は、努力と信頼のうえに生まれます。

6月19日以降、2カ月に及ぶリーグ戦のなかで、VAMOS上郡というチームはひとりひとりの選手やスタッフを超えて、まるでチームがひとつの生き物のように大きく成長を遂げました。まるでひな鳥が大きく羽ばたこうとしている過程を映画で観ているような感覚といえばいいでしょうか。毎試合毎試合、チーム全体の強い「意志」のようなものが私たちを突き動かしていきました。

それを「神がかった」という言葉で表現することもできるかもしれませんが、それは本意ではありません。一番近くで見ていた私は、チームとしての成長は決して偶然ではなく、選手ひとりひとりが努力に努力を重ね、個人としての成長がチームとしての成長に収れん(多くの要素・条件などがある一つのものに集約されること)されたと考えています。個人としての成長指数が掛け算になって、チームとして大きな成長指数になったのです。

さらに、確実に言えるのは、この2か月間は選手ひとりひとりがサッカーというスポーツにのめりこんでいき、家族を信じて、コーチを信じて、仲間を信じて、失敗をおそれずにチャレンジを繰り返し、「個」が成長に成長を重ね、「集団」としてのOne Teamに結実していくという感覚・「ひとつになっていくーKamigori One Heart-」という感覚を、選手はもちろんですが、VAMOS上郡に関わるすべての人が実感していったということです。


Kamigori One Heart !

あなたは8月21日(日)をどこでむかえましたか?

あなたはどんな思いだったでしょう?

あなたのなかに何が生まれましたか?



試合のどこを切り取っても素晴らしい瞬間でした。多くのみなさんの印象に残っているのは、福田圭吾選手がゴールマウスを守り、山本剛輝選手がピッチに泣き崩れそうになったシーンと山本怜央選手がコーナーキックからゴールを奪い涙したシーンかもしれません。


両チームとも決定的瞬間をむかえられないままむかえた前半の半ばごろでしたでしょうか。

山本剛輝選手のビルドアップ(自陣の後方から前方まで主にパスを活用してボールを運んでいくこと)が相手チーム選手にカットされ、ボールが無人のゴールに吸い込まれそうになった瞬間、福田圭吾選手が見事にクリアをしました。あきらめずに走りぬいた圭吾選手に大きな拍手が沸き起こりました。そして、悔しさと責任感から剛輝選手がピッチに泣き崩れ落ちそうになった瞬間、ゴール裏のサポーターからの大きな激励の声と拍手が剛輝選手に届きました。どれほど彼を勇気づけてくれたことでしょうか。

福田圭吾選手のカバーリング(味方の守備している選手が相手にパスやドリブルで突破されたときに、他の味方の選手がすぐに次の対応に行く、あるいは、すぐに守りにいけるポジションをとること)は圭吾選手をはじめ、福田篤人選手・横山颯祐選手・甲斐海凪選手・豊岡拓馬選手・豊岡咲人選手がリーグ戦を通して身に着けてきた戦術です。

今回のリーグ優勝は、我がチームのゴールキーパー(GK)とディフェンダー(DF)陣の活躍抜きには語れません。リーグ戦全8試合の失点はわずかに「2点」です。サッカーに精通している方はもちろん、すべての皆さんが、この数字の偉大さに気づくことでしょう。

「2点」という数字は、仲間を助ける的確なサポートとポジショニング、それを可能にする運動量や強い気持ちがなければできない数字です。まさに、圭吾選手のプレーはGK/DF陣の信頼関係が生んだスーパープレーだと言えるでしょう。



さらにもうひとつ付言しておきたいのがGK山本剛輝選手のビルドアップです。これまで、試合のなかでは剛輝選手の長所を生かし、剛輝選手が8人目のフィールドプレーヤーとなり、数的有利な状況を作り出すことに成功してきました。剛輝選手のビルドアップなしに攻撃陣のカウンターアタック(自陣から奪ったボールを相手が守備を完成させる前に攻撃を仕掛ける戦術のことは成功しませんでした。GKからのビルドアップは我がチームのストロングポイント(チームの長所や強み)となっていきました。平日練習では毎回このビルドアップを、守備の要である山本剛輝選手とセンターバック(CB:DFの中央の選手)の福田篤人選手が何度も何度も練習していきました。

GKやCBからのサイドバックの選手への横パスは容易です。しかし、サイドバックの選手は相手選手にマークされやすいので、途端に奪われてしまいます。そこで、GKやCBの選手は中央に位置する選手に縦パス(くさびのパス・3人目へのパス)をねらいます。縦パスが入ることでチームは中盤に大きなチャンスを得ることになります。しかしながら、この縦パスはピッチ中央に相手選手がたくさんいるため簡単ではありません。それでも、いつも剛輝選手は中央への縦パスを第一選択肢としてチャレンジを続けていました。

今回はその一瞬の判断の遅れがこの状況を生んだのです。ですから、剛輝選手は自分の判断が悔しくて悔しくて涙が出たのです。そして、サポーターの皆さんからの激励のおかげで、その後の剛輝選手が疲れの出てきた相手選手の間を何度も何度も首を振って確認し、縦パスを通してチャンスを演出したことに涙を乗り越えた本当の意味があったのだと思います。



後半も半ばがすぎ、相手チーム選手に疲れが見え始めたころ、広く空き始めたピッチ中盤のスペースに山本剛輝選手や福田篤人選手からの縦パスを上郡の選手たちがフリーで受けるようになりました。

だんだんと攻撃が優勢になり、コーナーキックが増え始めたとき、一生忘れられないような素晴らしい瞬間が待っていました。混戦から右足を一閃した山本怜央選手のシュートがゴールネットに突き刺さったのです!

一斉に駆け寄る選手たち。怜央選手の目から涙が流れていました。

このコーナーキックも何度も何度も練習したデザインされたプレーでした。FWの坂本大虎選手や清岡奏汰選手や山本怜央選手、荻田悠斗選手たちはニアポスト(ボールの位置から見て近い方のゴールポストのこと)にあるポケット(相手ディフェンスラインの背後、相手GKから少し離れた位置)とよばれるゾーンに進入することを心掛けてきました。特に、今回、FWだった山本怜央選手はキーパーを遮る役割を担いながらポケットへ入り、横山颯祐選手の美しい軌道のデザインされたボールへの信頼に見事に応えたのです。あの感動の涙には積み重ねた努力と仲間への信頼が存在したのです。



リーグ戦は、一戦ごとに、ピッチ選手とベンチ、サポーターの皆さん(保護者のみなさんや低学年選手の皆さん、卒団生の皆さん)が一体となっていき、One Heart, One Team になっていきました。

8月21日の試合では、芝生側ゴール裏が福田圭吾選手のプレーにどよめき、山本剛輝選手の涙に共感し、山本怜央選手の姿に胸がいっぱいになるサポーターの皆さんの気持ちが数十メートルも離れたベンチまで伝わってきました。

まさに、ピッチ上の選手と同じ気持ちになって、9人目のプレーヤーとなり、戦ってくださいました。ありがとうございました!

そして、忘れてはならないのは、こころをひとつ(One Heart)にして戦ったVAMOS上郡の仲間たちは、ピッチに来てくださった方々だけではないということです。


・自宅のベッド上にて、身体はCOVID‑19と戦いながら、こころは赤穂海浜Gで戦った選手やスタッフがいました。

・ひそかにVAMOS上郡の選手たちを駐車場側で陰ながら応援してくれた選手や保護者もいました。

・VAMOSの勝利を祈りながら、自分自身のサッカー練習に勤しんだ卒団生もいました。

・孫の活躍を祈りながら、いつも送迎をしてくださる祖父母のみなさんもいました。


8月21日という「時間」を超えて、

赤穂海浜グラウンドという「空間」を超えて、

選手やスタッフであるとか、家族であるとか、卒団生であるとかという「立場」を超えて、


一生の思い出になるような素晴らしい瞬間はVAMOS上郡の仲間たちのもとに舞い降りてきました。その舞い降りた場所も思いも、それぞれの選手やサポーターによって違いますが、手のひらに世界をみるように広く深く、一瞬に永遠をみるように果てしなく尊いものであることに変わりはないことでしょう。



Kamigori One Heart !

あなたは8月21日(日)をどこでむかえましたか?

あなたはどんな思いだったでしょう?

あなたのなかに何が生まれましたか?



最後になりましたが、このように一生の思い出になるような素晴らしい瞬間を、思いあまるほどの感動を、自発的にチームや選手のために、写真という目に見える形で残していただいた小野花恵選手の保護者様に心から感謝を申し上げたいと思います。

「こころ」とか「なかま」とか、大切なものが軽視されがちな社会のなかで、わたしたちの大切なものを、流れゆく時間を、このような形で留め置いていただけたことは、どれほどこれからの選手たちの人生に勇気を授けてくれることでしょうか。

ありがとうございます。選手を代表して、衷心よりお礼を申し上げます。




 
 
 

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